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妊娠・授乳期にヨウ素が大切な理由とは?

妊娠中・授乳中は海藻の食べ方に注意
妊娠中・授乳中は海藻の食べ方に注意

昆布や海藻は妊娠・授乳中にどこまで食べていい? ヨウ素と甲状腺ホルモンの基礎から、食事摂取基準(2025年版)のポイント、妊娠期・授乳期に必要な栄養素まで、やさしく整理した保存版ガイドです。

妊娠・授乳期にヨウ素が大切な理由とは?

ヨウ素は、体内で甲状腺ホルモン(T3T4)を作るために必要なミネラルです。

甲状腺ホルモンは、代謝や体温調節だけでなく、胎児の脳・神経の発達にも深く関わります。

 

妊娠中・授乳中は、赤ちゃんの成長のために母体の甲状腺ホルモンの需要が高まり、ヨウ素の必要量もやや増加します。

 

その一方で、「不足」と「過剰」のどちらも問題になるため、バランスが大切です。

日本人の食事摂取基準(2025年版)が示す量(妊娠中・授乳中)

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、妊娠・授乳期のヨウ素摂取量は以下のように定められています。

■ 妊娠中

 

推奨量:250 μg/

耐容上限量:2,000 μg/

 

■ 授乳中

 

推奨量:280 μg/

耐容上限量:2,000 μg/ 

 

成人女性の推奨量より少し増えますが、その反対に、耐容上限量は少し低くなります。日本は海藻の摂取が多いため、実際には「過剰」のほうが問題になりやすい点が特徴です。

妊娠中・授乳中はヨウ素に敏感になりやすい?

妊娠・授乳期は、母体のホルモンバランスが変化するため、ヨウ素に対する感受性が高まると考えられています。もともと甲状腺に疾患がない人でも、過剰摂取により一時的に甲状腺ホルモンが低下することがあります。

 

特に注意したい食品は次の通りです。 

  • 昆布(昆布だし・昆布茶)
  • 昆布だしパック(濃い抽出の場合) 

昆布は1gで数千 μgのヨウ素を含むものもあり、妊娠期・授乳期にこういった食品を毎日のように食べていると、上限を超えやすくなります。

ヨウ素の不足も過剰も避けたい理由

● 過剰摂取のリスク 

  1. 胎児・新生児の甲状腺機能低下
  2. 妊婦自身の甲状腺機能低下(TSH上昇)
  3. 授乳中は母乳を通じて赤ちゃんに影響する可能性 

● 不足のリスク 

  1. 妊婦の甲状腺機能低下
  2. 胎児の脳発達への影響
  3. 出産後は母乳を通じて赤ちゃんのヨウ素不足につながる可能性

 ただし、通常の和食中心の食生活であれば、不足は起こりにくいとされています。

妊娠・授乳期の安全なヨウ素摂取のコツ

1. 昆布だしの習慣使いは控える

「毎日昆布だしの味噌汁」などは過剰につながることがあります。

 

かつお・煮干し・椎茸だしと組み合わせて調整しましょう。

2. わかめ・もずくは適量でOK

わかめやもずく等は昆布ほどヨウ素量は多くありません。週に数回の摂取なら心配はいりません。

 

海藻類の酢の物を頻繁に食べるような習慣は控えましょう。

3. ヨウ素入りサプリは基本的に不要

葉酸や鉄のサプリは推奨されますが、ヨウ素追加は日本では過剰リスクが高いため、独自判断での追加は避けるべきです。マルチビタミン・ミネラルのサプリメントにヨウ素が含まれていることがあるため、注意しましょう。

4. 甲状腺疾患がある方は必ず医師に相談を

バセドウ病・橋本病などがある場合、必要な量が個別に変わることがあります。主治医に確認しましょう。

ヨウ素以外で妊娠中・授乳中に必要な栄養素

妊娠・授乳中は、ヨウ素以外にも、タンパク質や葉酸、ビタミンD、鉄やカルシウムをはじめとする栄養素の付加が推奨されています。

 

栄養バランスの良い食生活のなかで、これらも意識的な摂取が必要です。不足しやすい時には、医師や管理栄養士に相談し、サプリメントを活用しましょう。

まとめ

妊娠中・授乳中は、甲状腺ホルモンの需要が高まる時期です。 

 

ヨウ素は甲状腺ホルモン材料として必要不可欠な栄養素ですが、日本では「不足より過剰」に注意が必要です。

食事でどのくらいのヨウ素をとっているか確認してみませんか?
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参考文献

厚生労働省,「食事摂取基準(2025年版)」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html