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長引く片頭痛の原因は甲状腺かも?橋本病と頭痛の隠れた関係と予防栄養学ケア

橋本病と片頭痛の関係について
橋本病と片頭痛の関係について

日常的に「ズキズキとした激しい片頭痛」に悩まされていませんか?その長引く頭痛の背景に、甲状腺の病気である「橋本病(慢性甲状腺炎)」が隠れている可能性があるとしたらどうでしょうか。

 

近年の専門機関や専門家による研究において、「橋本病と片頭痛には密接な関係がある」ということが明らかになってきました。今回は、なぜこの2つの病気が関係しているのか、最新の研究知見を交えて分かりやすく解説します。専門的な視点から、今日から取り組める具体的な対処法や食事のアドバイスもお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

片頭痛と橋本病はなぜ関係がある?研究でわかった驚きの合併率

「甲状腺の病気」と「頭痛」は一見、まったく結びつかないように思えます。しかし、頭痛外来などを対象とした大規模な調査により、以下の驚くべき事実が報告されています。 

 

  • 健康な人に比べて片頭痛リスクが約5.8倍に
    橋本病の中でも治療が不要な「潜在性甲状腺機能低下症(血液検査でTSHのみが高い状態)」の方を調査したところ、健康な人と比較して、生涯に片頭痛を経験する確率が5.8倍も高いことが判明しました。
  • 甲状腺の異常によって頭痛が「慢性化・重症化」する
    頭痛外来を受診した片頭痛のある方を対象とした調査では、一般人口に比べて橋本病を併発している割合が明らかに高いことが分かっています。さらに、もともと片頭痛を持っていた人の約半数(52%)が、「橋本病を発症した後に頭痛が著しく悪化した(重症化した)」と回答しています。

これらのデータは、「甲状腺ホルモンや免疫のバランスが崩れると、片頭痛の発作が起きやすくなり、さらに治りにくく悪化しやすい」ということを明確に物語っています。

なぜ橋本病があると頭痛が起きやすくなるのか?3つの根本原因

医学的には、主に次の3つのメカニズムが関係していると考えられています。

1. 全身の微細な炎症(神経炎症)

橋本病は、免疫のバグによって自分の甲状腺を誤って攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。このとき体内、特に脳の神経の周りで微細な炎症(神経炎症)が起こりやすくなります。この炎症が、頭痛を引き起こす脳の「三叉(さんさ)神経」をダイレクトに刺激してしまうのです。

 

2. 幸せホルモン「セロトニン」の低下

甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の働きが鈍くなります。セロトニンは血管の伸縮をコントロールする役割を持っているため、これが不足すると脳の血管が急激に拡張し、ズキズキとした片頭痛の発作を誘発しやすくなります。

 

3. 代謝低下による慢性的な頭重感

 甲状腺機能が落ちると、体の「エネルギー工場」が停滞するため、全身の代謝が下がり、むくみや冷え、筋肉のこりが生じます。これにより、もともとの片頭痛に加え、頭が締め付けられるような「緊張型頭痛」も合併しやすくなり、「慢性頭痛(慢性片頭痛)」へと移行してしまう恐れもあります。

今日からできる2つの生活対処法

もし「私も当てはまるかも」と思ったら、まずは薬に頼りすぎる前に、次の2つのアプローチを試してみてください。

 

対処法①:頭痛薬に頼る前に、まずは「血液検査」で原因チェック

 

慢性的な頭痛に対して「頭痛薬を飲むだけ」のその場しのぎを続けていると、薬の飲みすぎにより、かえって頭痛を引き起こしやすくしてしまうリスクもあります。まずは医療機関(内分泌内科や頭痛外来など)で、甲状腺ホルモン(TSH, free T4)や、橋本病の指標となる「抗体(TPO抗体など)」の血液検査を受けましょう。根本にある甲状腺の治療を始めるだけで、長年の片頭痛が驚くほど軽くなるケースは少なくありません。

対処法②:毎朝の「基礎体温」を測定して代謝状態を知る

甲状腺機能が低下すると代謝が落ち、低体温になりがちです。毎朝、布団から出る前に「基礎体温」を測定してみてください。もし36.0度を大きく下回るような状態が連日続いている場合は、体内のエネルギー代謝が落ちて頭痛が起きやすくなっているサインです。生活リズムの乱れや栄養不足等は体温にも影響を与えるため、これらを見直してみましょう。

【食事のアドバイス】血管をケアする「マグネシウム」を味方に!

予防栄養学の観点から、片頭痛と甲状腺ケアの双方に最もおすすめしたい栄養素の1つが「マグネシウム」です。

マグネシウムには、脳の血管の過度な緊張を緩め、神経の興奮を鎮める強力な作用があります。実は、片頭痛持ちの方は体内のマグネシウムが不足していることが多いと分かっています。また、マグネシウムは甲状腺ホルモンを全身の細胞で効率よく活性化させるためにも欠かせない必須ミネラルです。

 

  • おすすめの食材:大豆製品(豆腐、納豆)、玄米、アーモンドなどのナッツ類、海藻類(あおさ、わかめなど)。
    注意:橋本病の方はヨウ素(ヨード)の過剰摂取に注意が必要なため、海藻類は毎食大量に食べるのではなく、適量を心がけてください。

まとめ:頭痛薬を減らすために、体全体の栄養を見直そう

片頭痛は決して「頭」だけの問題ではなく、体全体のエネルギーを司る「甲状腺」、そして毎日の「栄養状態」と深く結びついています。

痛みを我慢して薬で抑え込むのではなく、自分の体の声(甲状腺のサイン)に耳を傾け、食事や栄養の力で根本から整えていきませんか?お悩みの方は、まずは医師に相談し、頭痛の原因や甲状腺の状態を知ることが大切です。そして食生活については、栄養カウンセリングにもご相談くださいね。

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参考文献

Nowaczewska M, Straburzyński M, Meder G, Waliszewska-Prosół M. The relationship between migraine and Hashimoto's thyroiditis: a single center experience. Front Neurol. 2024 Feb 15;15:1370530. doi: 10.3389/fneur.2024.1370530.

  

Rubino E, Rainero I, Garino F, Vicentini C, Govone F, Vacca A, Gai A, Gentile S, Govone G, Ragazzoni F, Pinessi L, Giordana MT, Limone P. Subclinical hypothyroidism is associated with migraine: A case-control study. Cephalalgia. 2019 Jan;39(1):15-20. doi: 10.1177/0333102418769917. Epub 2018 Apr 22.