
「生理前になると、気分の落ち込みやイライラが強くなる」
「橋本病と診断されてから、PMSが悪化した気がする」
こうした声は、実は少なくありません。
橋本病とPMS/PMDDには、体の仕組みとして重なる部分があります。
PMS・PMDDとは?
PMSは、生理前に起こる心身の不調の総称です。
その中でも、抑うつ・不安・強いイライラなど精神症状が特に重い状態をPMDDと呼びます。
どちらも「気持ちの問題」ではなく、ホルモン変動に体がうまく対応できないことで起こる状態と考えられています。
甲状腺と生理前不調の意外な関係
甲状腺ホルモンは、代謝だけでなく
- 気分の安定
- エネルギー産生
- 女性ホルモンの働きや代謝
にも関与しています。
橋本病によって甲状腺機能が低下した場合、甲状腺ホルモンが不足しやすくなることがあり、その結果、生理前のホルモン変動に体がついていけなくなることがあります。
研究では、PMSのある女性において、TSHや甲状腺ホルモンの反応が通常と異なることや、
甲状腺の自己免疫が気分症状と関連する可能性が報告されています。
なぜ橋本病があるとPMS・PMDDがつらくなりやすい?
考えられている理由は主に3つです。
ホルモンの調整力が低下する
→ 生理前の変化に過敏になりやすい
疲れやすく、回復しにくい
→ だるさ・気力低下が悪化
慢性的な炎症や自律神経の乱れ
→ イライラや不安感が出やすい
「検査値はそこまで悪くないのに、生理前だけつらい」という場合も、こうした影響が隠れていることがあります。
食生活のワンポイント
- 脂っこいもの・揚げ物を控える
- 十分なタンパク質を毎食意識する
- オメガ3脂肪酸(青魚など)をとり入れる
- 甘いもの・精製糖質は摂りすぎない
血糖やエネルギーが安定すると、生理前の不調も出にくくなります。
生活面での注意ポイント
日常のちょっとした工夫も重要です。
- 体を冷やさない(首・お腹・足元)
- 睡眠時間を削らない
- 深呼吸・ストレッチなどでリラックスする時間を作る
- 生理前は「頑張りすぎない」前提で予定を組む
「無理をしない調整力」が体調管理のカギになります。
まとめ
- 橋本病とPMS・PMDDはホルモンと免疫の面で関連がある
- 生理前だけ不調が強くなるのは、体からのサイン
- 食事・冷え・休養を整えることが症状緩和につながる
体の仕組みを知り、やさしく整えていくことが大切です。
参考文献
Schmidt PJ, Grover GN, Roy-Byrne PP, Rubinow DR. Thyroid function in women with premenstrual syndrome. J Clin Endocrinol Metab. 1993 Mar;76(3):671-4. doi: 10.1210/jcem.76.3.8445024.
Zhou J, Bränn E, Yang Y, Chen Y, Opatowski M, Valdimarsdóttir UA, Bertone-Johnson E, Lu D. Bidirectional relationship between premenstrual disorders and autoimmune disease: a nationwide register-based study in Sweden. Eur Psychiatry. 2025 Aug 26;68(Suppl 1):S139. doi: 10.1192/j.eurpsy.2025.367.






