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バセドウ病から橋本病に移行することはある?原因・頻度・食事からの気付き

「バセドウ病が落ち着いたと思ったら、今度は橋本病と言われた」という方はいませんか?

バセドウ病から橋本病へ移行するケースは、医学的にも知られている現象です。 

 

本記事では、なぜ移行が起こるのか、どのくらいの頻度で起こるのか、食事や体重変化から気づけるサインについて、わかりやすく解説します。

バセドウ病と橋本病の共通点

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)も橋本病(慢性甲状腺炎)も、自己免疫疾患です。

免疫の異常により、甲状腺を標的とする抗体が作られます。 

  • バセドウ病:甲状腺を「刺激する」抗体(TRAbなど)が優位 
  • 橋本病:甲状腺を「壊す」抗体(TPOAbTgAb)が優位 

 同じ人の体内で、これらの免疫反応のバランスが時間とともに変化することがあります。

バセドウ病から橋本病に移行する頻度は?

報告によって差はありますが、バセドウ病患者の約1020%前後が、長期経過で甲状腺機能低下症に移行するとされています。

 

特に以下の場合、移行が起こりやすいと考えられています。 

  • 抗甲状腺薬による長期治療後
  • もともと橋本病関連の抗体(TPO抗体など)が高い
  • 出産後や強いストレス後など、免疫が変動しやすい時期

 これは治療の影響ではなく、病態そのものが変化した可能性があります。

「食事量は同じなのに体重が増えた」は重要なサイン

甲状腺と栄養をテーマにするうえで、見逃せないのが体重変化です。

 

バセドウ病の活動期には、 

  • 食べても体重が増えにくい
  • むしろ食事量が多くなる 

という状態がよく見られます。

 

一方、橋本病へ移行し、甲状腺ホルモンが低下し始めると、 

  • 食事量は変えていないのに体重が増える
  • むくみやすくなる
  • 疲れやすく、動く量が減る 

といった変化が起こりやすくなります。

 

「食べ過ぎたから太った」と思いがちですが、実際には基礎代謝の低下が背景にあることも少なくありません。

バセドウ病寛解後こそ、定期的な検査と生活の見直しを

バセドウ病が寛解した後も、 

  • TSH
  • FT4
  • 甲状腺自己抗体 

を含めた定期的なフォローは重要です。

 

また、体重や食欲、疲労感といった日常の変化は、数値より早く現れることもあります。

 

「以前と同じ食事なのに調子が違う」と感じたら、自己判断で食事量を減らす前に、甲状腺機能の確認をおすすめします。

まとめ

  • バセドウ病から橋本病への移行は、医学的に知られている
  • 1020%程度で起こるとされ、珍しい現象ではない
  • 食事量が同じなのに体重が増えるのは、甲状腺機能低下のサインかもしれない
  • 数値と同時に、日常の変化にも目を向けることが大切

 甲状腺疾患では、「食事・体重・体調」はすべてつながっています。

 

気になる変化があれば、早めに医師に相談し、必要に応じて検査を受けましょう。

参考文献

Daramjav N, Takagi J, Iwayama H, Uchino K, Inukai D, Otake K, Ogawa T, Takami A. Autoimmune Thyroiditis Shifting from Hashimoto's Thyroiditis to Graves' Disease. Medicina (Kaunas). 2023 Apr 13;59(4):757. doi: 10.3390/medicina59040757.

 

バセドウ病から橋本病への移行率を前向きに検討した大規模疫学研究は限られており、報告されている割合は主に症例報告やレビューに基づくものである点には注意が必要です。