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甲状腺機能低下と脂肪肝 — 意外と深い関係|知らないと治りにくい“代謝の落とし穴”とは?

潜在性甲状腺機能低下症や甲状腺機能低下症の方は脂肪肝に要注意
潜在性甲状腺機能低下症や甲状腺機能低下症の方は脂肪肝に要注意

甲状腺機能低下症と脂肪肝には深い関係があります。未治療の潜在性甲状腺機能低下症でも脂肪肝のリスクが上がり、甲状腺ホルモン薬の内服による治療によって代謝が改善すると脂肪肝が軽快する傾向があります。ただし、全員が完全に改善するわけではなく、食事量や栄養バランスが整っていない場合は治療後も脂肪肝が残ることがあります。記事では、なぜ甲状腺と肝臓が関係するのか、その仕組みと、日常でできる簡単な食生活のポイントを分かりやすく解説しています。

甲状腺機能低下症と脂肪肝には相関がある?

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節し、肝臓の脂肪の分解・燃焼にも重要な役割を担います。ホルモンが不足すると肝臓に脂肪が溜まりやすくなり、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)につながるリスクが上がることが報告されています。近年の研究報告でも、甲状腺機能低下とNAFLDの関連は繰り返し報告されています。

 

 さらに、未治療の“潜在性(subclinical)甲状腺機能低下症”でも NAFLD リスクが上昇するという報告が見られます。

 

潜在性低下症の主な原因は橋本病で、橋本病は比較的よく見られる自己免疫疾患の一つです。そのため、明らかな症状がなくても注意が必要です。

治療(服薬)での改善と、残るケースについて

多くの研究で、甲状腺ホルモン薬の内服による治療によって代謝が改善し、肝脂肪が軽快する傾向が示されています。ただし全ての方が完全に脂肪肝が消えるわけではなく、肝臓の状態や生活習慣などによって改善度合いは異なります。

 

治療開始後でも、食事量や栄養バランスが不適切だと脂肪肝が残ることがあります。治療と並行した生活改善が重要です。 

 

また、TSH(甲状腺刺激ホルモン)レベル自体がNAFLDや肝臓の線維化のリスク指標になりうるという報告もあります。経過観察中の橋本病の方をはじめ、潜在性甲状腺機能低下症の方は、定期的に甲状腺ホルモンをチェックしましょう。

日常でできる食生活のポイント

 

日常の食生活でできる基本的なポイントをお伝えします。

  • 13食を基本に、極端なカロリー制限は避ける
  • 毎食タンパク質のおかずを食べる(肉・魚・卵・豆製品など)
  • 玄米や全粒粉パン等、低GIの炭水化物を適度に
  • 甘い飲み物や菓子、揚げ物は控えめに
  • アルコールは節度をもって(肝臓負担を減らす)

 体重が少ない人は、過度なダイエットでなく「バランスを整える」ことを優先しましょう。 

 

甲状腺治療で代謝が上がっても、食事の量・質が不適切だと肝脂肪は残りやすい点を覚えておきましょう。

まとめ

甲状腺機能低下症(潜在性/経過観察中の橋本病を含む)は、脂肪肝のリスク因子になり得ます。治療が不要と判断された潜在性の段階でも、定期的に TSHFT4FT3 や肝機能(AST/ALT など)を確認し、脂肪肝の有無に注意しましょう。

 

また、栄養バランスの整った食生活は、脂肪肝の予防・改善のどちらにおいても重要です。

脂肪肝がある方、甲状腺疾患の治療中の方は、医師や管理栄養士と相談しながら、治療と生活改善を並行して行うことが大切です。 

 

自覚症状や健康診断で疲れやすさ、体重変化、コレステロールや肝機能の異常がみられる場合は受診を検討してください。とくに、食生活を整えてもコレステロール値が改善しない場合は、甲状腺ホルモンの検査も考慮しましょう。

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参考文献

 

厚生労働省, e-ヘルスネット, 「脂肪肝」

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-033

 

Liu L, Yu Y, Zhao M, Zheng D, Zhang X, Guan Q, Xu C, Gao L, Zhao J, Zhang H. Benefits of Levothyroxine Replacement Therapy on Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Subclinical Hypothyroidism Patients. Int J Endocrinol. 2017;2017:5753039. doi: 10.1155/2017/5753039. Epub 2017 Apr 4. 

 

Xiang LL, Cao YT, Sun J, Li RH, Qi F, Zhang YJ, Zhang WH, Yan L, Zhou XQ. Association between thyroid function and nonalcoholic fatty liver disease: a dose-response meta-analysis. Front Endocrinol (Lausanne). 2024 Jun 25;15:1399517. doi: 10.3389/fendo.2024.1399517.