
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで全身の代謝が高まり、さまざまな症状を引き起こす疾患(病気)です。その特徴を端的に表すのが、「メルセブルグの三徴」と呼ばれる3つの代表的な症状です。どのような症状なのか、確認していきましょう。
「メルセブルグの三徴」の由来
「メルセブルグの三徴」という名前は、19世紀にドイツの町メルセブルグ(メルゼブルグ)で医師カール・アドルフ・フォン・バセドウ(Carl Adolph von Basedow)が報告した3つの症状の組み合わせに由来します。
バセドウ病の3つの代表的な症状「メルセブルグの三徴」とは
1. 眼球突出(がんきゅうとっしゅつ)
バセドウ病の症状のなかでもよく知られています。免疫の異常によって眼の周りに炎症やむくみが起こり、目が前に出たように見える状態です。
ただし、すべての人に起こるわけではなく、発症からしばらく経ってから出てくる場合もあります。なかには、バセドウ病と診断されてから、数年~10年以上経ってから眼球突出が現れるケースも報告されています。
2. びまん性甲状腺腫(びまんせいこうじょうせんしゅ)
首の前側にある甲状腺が全体的に腫れて大きくなる状態です。しこりではなく、甲状腺全体が均一に腫れるのが特徴で、触ると柔らかいのもポイントです。
ただし、必ずしも甲状腺腫が見られるとは限りません。見た目でわからない程度の人もいます。
3. 頻脈(ひんみゃく)
甲状腺ホルモンが多く出ると心臓が刺激され、脈が速くなります。
じっとしていてもドキドキしたり、運動をしていないのに息切れを感じることがあります。
まとめ
「メルセブルグの三徴」が揃うと典型的なバセドウ病とされますが、実際には全員に揃うわけではありません。
眼球突出が遅れて出てきたり、甲状腺腫が目立たなかったりと、症状のバリエーションがあることも知っておくと安心です。
また、バセドウ病には他にも「食事をたくさん食べているのに痩せる」といった、さまざまな症状があります。以下のリンクからバセドウ病の症状を確認することができます。
あてはまる症状がある場合は医師に相談しましょう。