バセドウ病の発症や再発にはストレスが影響を与えることがあります。なぜ、ストレスが影響を与えるのか、甲状腺ホルモンとストレスの関係について分かりやすくお伝えします。バセドウ病の方はストレスをためないように、十分な休息や栄養バランスの良い食事をとり、規則正しく生活しましょう。
甲状腺ホルモンとストレスの関係
甲状腺ホルモンとストレスには密接な関係があります。
心身がストレスを受けると、脳の視床下部を刺激します。すると脳の視床下部の甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)が下垂体の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を増加させ、TSHの甲状腺への刺激によって甲状腺ホルモンの分泌を促します。
また、ストレスは交感神経を介して甲状腺を直接刺激し、甲状腺ホルモンの分泌を促します。そして、甲状腺ホルモンは交感神経の活発な働きを維持します。
本来ならば甲状腺ホルモンの分泌量が増えると、それが脳に伝わり、甲状腺ホルモンの合成や分泌量は減ります。すると、交感神経の活発な働きも納まります。
強いストレスを受けたり、小さくても慢性的なストレスの影響によって甲状腺ホルモンの過剰な分泌や交感神経の活発な働きが継続し、これに免疫機能の異常が組み合わさると、バセドウ病の発症や悪化、再発につながる恐れがあります。
バセドウ病で避けた方が良いストレス
- 重労働
- 激しい運動
- 過労
- イライラすること
- 寒冷刺激
- 酷暑
- 無理なダイエット
- タバコ
これらはストレスの一例です。
無理をし過ぎず、ゆっくりと休んで栄養価の高い食事をとり、規則正しく生活して、ストレスをためないようにしましょう。
参考文献
Kung AWC, Life events, daily stresses and coping in patients with Graves' disease. Clin Endocrinol 42,303-308,1995