
橋本病と体重の増加の関係
橋本病は、甲状腺に慢性的な炎症が起こる自己免疫疾患です。甲状腺ホルモン値が正常値以下となる甲状腺機能低下症の場合、代謝が低下し、体重が増えやすくなります※。
経過観察中の潜在性甲状腺機能低下症の段階でも、こういった体重の増加が起こることがあり、そのため、多くの方が減量のためのダイエットを試みています。
ここ数年注目の「間欠的断食(インターミッテント・ファスティング=IF)」を試しているという方も多いのですが、果たして橋本病の方に適したダイエット法なのでしょうか。
間欠的断食とは?
「16時間断食」が代表的で、16時間の空腹時間を作り、残りの8時間で食事をとる方法です。
食事制限のストレスが少なく、研究でも体重減少効果が示されています。
間欠的断食法のデメリットやリスク
橋本病では、甲状腺機能低下によって代謝が低下していることがあり、断食はさらなる甲状腺機能を招く恐れがあります。
16時間断食ではありませんが、ラマダン (イスラム文化圏で行われる宗教的な断食行事) による断食期間終了後にTSHが上昇したという報告も見られます。
また、空腹後に過食しやすく、結果的に食べ過ぎてしまい、体重が戻る・増えるケースもあります。
さらに、LDLコレステロール値の上昇や心血管系への負担も懸念する声が上がっています。
橋本病にとってのメリットは?|最新のエビデンスが示すこと
2023年以降に発表された複数の最新の研究報告において、間欠的断食と1日3食食べる通常のカロリー制限を比較したところ、体重や血糖コントロールにおいてIFが優位であるとは認められませんでした。
つまり、「食べ方の時間制限」そのものが特別な効果を持つわけではなく、結局は摂取カロリーの総量や栄養バランスの影響が大きいと考えられます。
まとめ
間欠的断食は科学的根拠に基づくダイエット法であり、一部の人には効果的です。橋本病の方、特に潜在性甲状腺機能低下症や甲状腺機能低下症の方にとっては、さらなる甲状腺機能の低下や、LDLコレステロール値の上昇、心臓への負担などのリスクを念頭に置く必要があるため、これらへの影響が懸念される間欠的断食は特別におすすめできるダイエット法とはいえません。
結局のところ、1日3食をバランス良く食べ、無理のない運動を続けることが、長期的な健康維持と体重管理には最も適していると考えられます。
※橋本病の方で甲状腺ホルモン量が減少した甲状腺機能低下症の場合、甲状腺ホルモン薬の服用による治療が必要です。
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参考文献
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