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橋本病とヨウ素について

橋本病や甲状腺ホルモンとヨウ素

橋本病や甲状腺ホルモンとヨウ素について
橋本病や甲状腺ホルモンとヨウ素について

ヨウ素(ヨード)は甲状腺ホルモンの主な材料です。ヨウ素の摂取過剰や不足があると、甲状腺機能が低下したり、一過性で甲状腺機能が亢進することが知られています。

 

ヨウ素過不足による甲状腺への影響は多くの人で起こりますが、橋本病の方は影響を受けやすいため、ヨウ素の過不足に注意が必要です。 

ヨウ素の主な摂取源

ヨウ素の主な摂取源は海藻類です。

 

特に昆布にとりわけ多くのヨウ素が含まれています。

 

ワカメやモズク、海苔等のその他の海藻類にも豊富なヨウ素が含まれています。

ヨウ素の必要量は?

厚生労働省による2020年食事摂取基準によると、1日あたりのヨウ素の推奨量は130μgです。妊娠中や授乳中はこれよりもヨウ素の需要が高まります。

 

日本人の多くは推奨量よりも多くのヨウ素を摂取していると考えられてきましたが、食生活の多様化により、最近ではヨウ素摂取量が不足しているというデータも見られます。

ヨウ素過剰摂取と橋本病

ヨウ素の過剰摂取は甲状腺機能を低下させますが、日本人は海藻類を食べる食習慣があるため、ヨウ素の過剰摂取に注意が必要です。

 

ヨウ素には耐用上限量が定められています。2020年食事摂取基準によるとヨウ素の耐用上限量は3,000μgです。

 

健康な方でも耐用上限以上のヨウ素を毎日摂取することは危険ですので、橋本病の方はなおさら注意が必要です。

 

また、近年では、耐用上限量よりも少ないヨウ素摂取量で甲状腺機能低下が見られるという報告もあります。

 

海藻類を毎日たくさん食べるような食生活は気を付け、ヨウ素の適度な補給のために少量を食べましょう。


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参考文献

厚生労働省“日本人の食事摂取基準 2020年”

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf