橋本病やバセドウ病とグルテンフリーダイエット

橋本病やバセドウ病の方は体質改善のために「グルテンフリーダイエット」を実践されている方もいるのではないでしょうか?
グルテンフリーダイエットとは、グルテンを除去した食事療法のこと。
グルテンを含まない食生活を送ることで、グルテンの身体への悪影響を取り除き、体質改善をはかります。
グルテンの悪影響とは?
グルテンを含む食事をとることで、消化管に炎症が起こる方や、自己免疫疾患に関係する抗体が増える方がいることが分かっています。(ただし、自己抗体ができる方は日本人には稀であると考えられています。)
その他にも、どんな悪影響が起きているのか原因はわからないものの、グルテンを除去することで確実に体調が良くなると感じる方がいます※。
グルテンフリーダイエットとエリミネーションダイエット
このように、身体に悪影響を与える成分を除去した食事療法(ダイエット)を「エリミネーションダイエット」といいます。
例えば、アレルギー除去食はエリミネーションダイエットの代表です。
グルテンフリーダイエットもグルテンを除去するので、エリミネーションダイエットに分類されます。

グルテンフリーダイエットを成功させるために
グルテンフリーダイエットを成功させるポイントは大きく分けて2つあります。
1つ目は、食生活全体を見直すこと
1つの成分を除去しても、食事の栄養バランスが崩れていれば体質はなかなか改善されません。グルテンフリーを行うと同時に食生活を度見直しましょう。
2つ目は原因を知ろうとすること
グルテンフリーダイエットを実践して体調が良くなったと感じる方の中には、これまでの不調の原因が、グルテンの方もいれば、実はグルテンではないこともあります。
グルテンフリーダイエットを実践する際、パンをやめたり、グルテンフリーのパンに置きかえる方が多くいますが、こんな時に気を付けてみて欲しいポイントがあります。
- 糖質の過剰
- 塩分の過剰
- 精製穀類の過剰
- 栄養バランスが崩れていた
グルテン以外にも、上記のような原因で不調を招いていたということもよくあります。

もしも不調の原因がグルテンでないとわかった場合は、パンの量を少し減らす、全粒粉パンやライ麦パンなら大丈夫、パンにタンパク質のおかずもつければ大丈夫、といったような工夫で体調が良くなる可能性があります。
「多分グルテンがだめなので、グルテンフリーの食品しか選ばない」としてしまうと、食生活の選択肢がどんどん狭まってしまいます。
食事療法を実践する際は、何が本当に悪影響を与えていたのか、できるだけ原因を知ろうとすることも大切です。これは、エリミネーションダイエットを成功させるための秘訣です。
原因をしっかりと知ることで、食事の楽しみを減らさないで済むために、食事療法を長く続けることができます。
参考文献
Gluten causes gastrointestinal symptoms in subjects without celiac disease: a double-blind randomized placebo-controlled trial. Am J Gastroenterol. 2011 Mar;106(3):508-14; quiz 515. doi: 10.1038/ajg.2010.487. Epub 2011 Jan 11
(2021年3月30日参照)