バセドウ病はなぜ眠い?

バセドウ病を発症された方は「日中に強い眠気に襲われる」ことがあります。
バセドウ病の症状が強く出ている時は、新陳代謝が必要以上に活発化しているため、24時間マラソンをしているような状態であると表現されています。
このような状況であるために、身体が疲れ切っていて、日中も眠くなってしまうのでしょうか?
バセドウ病が日中に眠い科学的根拠は?
バセドウ病の方が日中になぜ眠いのか、これを証明する科学的な根拠は今のところありません。
ただ、バセドウ病の症状を考慮すると、その理由について考察することができます。
バセドウ病と日中の眠気対策

バセドウ病の方が日中に眠い理由については、大きく分けて2つの理由が考えられます。
日中の眠気の理由:
- 全般性不安障害
- 血糖値の上昇
バセドウ病の方は、全般性不安障害をはじめとする診断を受ける方もいらっしゃいます。
軽いうつ症状を自覚して心療内科に相談したところ、バセドウ病と診断された方も多いのではないでしょうか?
精神的なストレスに対する診断がある、ないに限らず、バセドウ病を発症された多くの方は、強いストレスを感じています。
このような強いストレスは、不眠を誘発します。夜間に眠れないからこそ、日中には強い眠気を感じてしまうのです。
眠気の理由はもう1つあげられます。これは、バセドウ病の方は血糖値が上昇しやすいことに由来するものです。
甘いものを食べると頭が冴える感じがすることからも分かるように、血糖値が上昇すると、覚醒効果をもたらします。
バセドウ病の方は夜間も血糖値が上昇しやすくなっているため、眠りが浅くなり、日中に眠気を感じてしまう可能性があります。
日中の眠気を軽減するためには、4つの対策が必要となります。
- バセドウ病そのものの治療をしっかりと受けて症状を軽減させていく
- できるだけリラックスする
- 短時間の昼寝によって睡眠不足を解消する
- 甘いものの食べ過ぎに注意する
バセドウ病の症状を軽減させていくことが、何よりも眠気対策に効果があると考えられます。
それと併行し、できるだけ睡眠負債を抱えないこと、リラックスを心がけることや、血糖値を上げるような食生活を避けることも大切です。
参考文献
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An assessment of psychiatric disturbances in Graves disease in a medical college in eastern India. Niger J Clin Pract . Jul-Sep 2012;15(3):276-9.
doi: 10.4103/1119-3077.100620.
(2020年11月24日参照)