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「豆乳・ソイプロテイン・大豆イソフラボンは甲状腺の味方?」  ― 知っておきたい「健康な人」と「注意が必要な人」の違い ―

大豆製品は、タンパク質やミネラル、イソフラボンなどを含む、健康的な食品として知られています。一方で、「甲状腺に悪いのでは?」と心配する声があるのも事実です。

結論から言えば、大豆製品は多くの人にとって問題になる食品ではありません。ただし、すべての人に同じように当てはまるとは限らない点には注意が必要です。

大豆と甲状腺ホルモンの関係

大豆に含まれるイソフラボンは、甲状腺ホルモンの生成に関わる酵素(甲状腺ペルオキシダーゼ)に影響を与える可能性があることが、研究で示唆されています。

 

また、甲状腺ホルモンの調整役であるTSH(甲状腺刺激ホルモン)が、軽度に上昇する可能性を示した報告もあります。

 

このため、「大豆は甲状腺に全く影響しない」と言い切るよりも、甲状腺ホルモンのバランスに影響を与える可能性はゼロではないと理解しておく方が、現実的と言えるでしょう。

健康な人は問題ない?

ここで大切なのが、「健康な人」とは誰を指すのか、という点です。

 

医療機関で甲状腺機能が正常と診断され、栄養状態も良好な人であれば、通常の食事量の大豆製品が直ちに問題になる可能性は低いと考えられます。

 

ただし、実際には

・まだ診断を受けていない

・自覚症状が乏しい

・TSHがやや高めだが経過観察中

といった、未治療・未診断の潜在性甲状腺機能低下の人も少なくありません。

 

その場合、「健康な人向けの一般論」をそのまま当てはめてよいとは限らない点には、注意が必要です。

注意が必要な人とは

以下のような方は、大豆製品の摂り方を一度見直してもよいでしょう。

  • 甲状腺機能低下症、橋本病と診断されている
  • TSHが高めと言われたことがある
  • 疲れやすさ、冷え、体重増加などの症状が続いている
  • ヨウ素やタンパク質など、栄養バランスに不安がある

特に、大豆製品だけを積極的に増やせば健康になるわけではない、という点は重要です。

妊活中・妊娠中は特に慎重に

妊娠を希望している方や妊娠中は、甲状腺ホルモンのバランスが、母体だけでなく胎児の発育にも関わるため、より慎重な管理が求められます。

 

一般に、妊活中はTSHを2.5μIU/mL未満に保つことが推奨されていますが、大豆製品の摂取によってTSHが軽度に上昇する可能性が示唆されている点には注意が必要です。

「大豆は体に良いからたくさん食べる」のは正解?

大豆製品は優れた食品ですが、栄養は全体のバランスが重要です。

 

つまり、大豆製品は「食べれば食べるほど良い」食品ではありません。

栄養バランスを意識した食事の中で、あくまでも、タンパク質の摂取源の1つとして取り入れることが大切です。

食品+サプリで影響が重なる可能性

ここで注意したいのがサプリメントの扱いです。

 

大豆製品の摂取によって、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が軽度に上昇する可能性は、健康な人を対象とした研究でも示唆されています。多くの場合、その変化は臨床的に大きな問題とならない範囲にとどまります。

 

しかし、こうした通常の食生活による影響に大豆イソフラボンのサプリメントを追加することで、体内での影響が重なる可能性は否定できません。特に、未診断の潜在性甲状腺機能低下がある場合や、TSHがもともと高めの方では、サプリメントによる影響が相対的に大きくなることも考えられます。

 

「食品として適量をとること」と「濃縮された成分を継続的に補うこと」は、体への影響が同じとは限りません。大豆製品が体に良いイメージを持たれやすい一方で、とればとるほど良い、というものではないことも意識しておきたいポイントです。

まとめ

大豆製品は多くの人にとって安全な食品です。

 

ただし、甲状腺ホルモンバランスに影響する可能性は示唆されています。

 

未治療・未診断の潜在性甲状腺機能低下の人も少なくない実態や、健康的な食生活を考慮した場合、大豆製品だけに偏らず、栄養バランス全体を見ることが重要です。

 

大豆製品摂取に、さらにイソフラボンサプリメントを追加する場合、甲状腺ホルモンバランスへの影響を大きくする恐れも否定できません。

 

「健康に良い食品」ほど、自分の体の状態に合っているかを意識して取り入れることが、長く安心して続けるコツと言えるでしょう。

参考文献

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