バセドウ病の食事はカロリーやタンパク質、カルシウムに注意


バセドウ病の食事療法の基本はエネルギー(カロリー)の過剰やタンパク質不足、カルシウム不足に注意することです。

バセドウ病の食事のカロリーと栄養素


バセドウ病の方は基礎代謝の亢進により、体力を消耗しやすいため、エネルギー(カロリー)やビタミン、ミネラル不足にならないよう注意が必要です。また、脱水にも注意が必要です。一度にまとめて食べるよりも、食事の他に間食を活用しながらエネルギーを補給すると良いでしょう。

 

体重が減少傾向にあった方も、治療を開始すると一転して太りやすくなるため、今度はエネルギーの過剰摂取に注意が必要です。

バセドウ病とカルシウム不足や骨粗鬆症


バセドウ病の方はカルシウム排泄量の促進や吸収量の減少等により、カルシウム不足が起こりやすくなっています。

カルシウムが不足すれば骨が弱くなって骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスクが高まったり、筋肉がつりやすくなったりと、さまざまな悪影響が出てきます。カルシウム不足を解消するためには、通常よりも多くのカルシウムをとる必要があります。

 

厚生労働省の国民健康・栄養調査※によると、日本人の多くはカルシウムが不足していますので、バセドウ病の方は積極的にカルシウムをとる必要があります。乳製品や小魚、緑黄色野菜を食べ、カルシウムを補給しましょう。

 

ビタミンDの摂取不足や作用不足も骨粗鬆症のリスクを高めます。ビタミンD不足にも注意が必要です。ビタミンDについては、ブログ記事を参考にしてください。 

バセドウ病とタンパク質


バセドウ病の方は基礎代謝の亢進により、筋力が低下しやすくなります。食事中のタンパク質が不足すれば、さらに筋力が低下しやすくなってしまいます。 1日3食、肉や魚、卵等の主菜をしっかりと食べ、タンパク質の不足がないようにしましょう。 

 

タンパク質のおかずを食べる際は、必ず野菜もたっぷり添えましょう。ビタミンや抗酸化物質、水溶性食物繊維を補うことができます。

魔法のほうれん草 キューブ
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バセドウ病とオメガ3やオレイン酸


脂質はエネルギーとなるだけでなく、細胞や脳にも必要な栄養素です。橋本病と同様に、オメガ3が多く含まれる青魚、亜麻仁オイル、エゴマ油と、オレイン酸が豊富なエクストラバージンオリーブオイルがおすすめです。 とりすぎれば肥満の原因になりますので、鮮度の良いものを少量とりましょう。

バセドウ病とヨウ素


ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となる大切な微量ミネラルです。そのために、不足しても過剰でも甲状腺に悪影響を与えてしまいます。 

 

ヨウ素を過剰摂取することで健康障害のリスクが高まるために、もともと全ての方に対して「耐用上限量」が定められています※。橋本病の方はヨウ素に注意されている方が多いのですが、バセドウ病でもやはりヨウ素の過不足には注意が必要です。

 

ヨウ素は海藻(特に昆布)に多く含まれています。「日本人は海藻をよく食べるために、ヨウ素の過剰摂取には身体が慣れている」という情報も多く見られますが、最近では過剰摂取が大きな問題になることが分かってきています。

 

食品の中で昆布や昆布出汁はヨウ素含有量が飛び抜けて多いので、できるだけ避けてください。それ以外の海藻類は少量でしたら問題ありません。

 

なお、甲状腺の検査前等に「ヨウ素制限」が必要となる場合があります。その際は、病院の指示に従って、ヨウ素制限を行ってください。それ以外では、ヨウ素は過不足のないようにしましょう。

バセドウ病のダイエット


バセドウ病の治療中には体重の急激な変化や、さまざまな不調が起こります。体重が増え過ぎれば減量が必要ですが、それと同時に、身体を修復するための栄養素もしっかりと摂る必要があります。 極端に食事量を減らすことは回復の妨げとなりますので、注意しましょう。まずは、栄養バランスのよい食事をとるように心がけましょう。 

 

減量ダイエットや不調改善のために食事療法を始めたいという方のために、詳しい食事療法のご紹介や栄養カウンセリングを行っています。 

バセドウ病の食事療法におすすめの2冊


バセドウ病の食事法&レシピ
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バセドウ病食事ガイドブック 食べる量や栄養素がわかる
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ヨウ素制限が必要な方へ


甲状腺の検査前等に厳密なヨウ素制限が必要な方は、こちらの甲状腺専門病院発行のヨウ素制限食レシピが参考になります。