甲状腺ホルモンと体重の関係

バセドウ病や橋本病に気付いたきっかけは「痩せたから」「太ったから」という方も多いのではないでしょうか?
甲状腺ホルモンは基礎代謝を司るホルモンであるため、甲状腺ホルモンバランスの変化は基礎代謝を変化させ、体重の増減に影響を与えます。
バセドウ病においては、発症時に体重が減少する方が多く、治療開始後は体重が増加します。
橋本病においては体重が増加します。
バセドウ病や橋本病にはダイエットの向き不向きがある?

体重の増加に伴い、減量のためのダイエットを試みる方もいるのではないでしょうか。
一般的な万人向けのダイエット法はバセドウ病や橋本病の方には不向きです。
万人向けのダイエット法とは:
- 単品ダイエット
- 欠食や断食ダイエット
- ベジタリアンダイエット
など、栄養バランスが大きく傾くようなダイエットのことです。
このようなダイエット法は多くの場合、栄養全体のバランスが考慮されていないため、甲状腺疾患の方の身体に大きな負担がかかってしまいます。
そのためにお勧めできるものではありません。
理想的なダイエットとPFCバランス

バセドウ病や橋本病の方が減量のためにダイエットをする場合、PFCバランスを意識した食事を考慮しなければなりません。
PFCバランスとはタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)のバランスを示しています。
<PFCとは>
P=タンパク質
F=脂質
C=炭水化物
PFCは3大栄養素と呼ばれ、この3つの合計値が食事のエネルギー量(カロリー)となります。
PFCのバランスが崩れていれば、それは体に負担をかける無理なダイエットになってしまいます。
また、PFCの合計値、つまりエネルギー量が極端に不足していれば、やはり体に大きな負担がかかってしまいます。
万人向けのダイエット法のほとんどがPFCバランスを考慮しておらず、バランスが崩れているか、エネルギー量が極端に不足しています。
仮に減量効果があったとしても、これでは新たな病気のリスクを招いてしまいます。
減量を目的とした安全なダイエットを行うためには、PFCバランスを考慮した安全な方法を実践しましょう。
もちろん、減量を目的としていなくても、健康的な食生活を送るためにはPFCバランスを考慮することが大切です。