COVID-19終息に向けて

新型コロナウイルスの流行はなかなか終息が見えません。新型コロナウイルスの固有の性質もよくわかっていません。
実際にどの程度の感染力でどのぐらい重症化し致死率はどのぐらいなのか、感染方法と感染経路はどのようなものか、重症化を防ぐ有効な薬や重症化した場合の治療薬はあるのか、こういった基礎的な性質も、実際には手探りの状態です。
だからこそ、私たちは目に見えない、性質も見えない新型コロナウイルスという敵に対して最大限の感染防止策をとらなければならなくなってしまいました。
新型コロナウイルスの終息は集団免疫の獲得かワクチン接種か
新型コロナウイルスの流行終息はいつになるのでしょうか。
新型コロナウイルスの流行には季節性があるのではないかとも言われており、このまま今期は終息していく可能性もあります。(>>「本当は市中感染は世界の都市で広がっているのか。」)だからといって無警戒に行動してはいけません。
これからの対応については、医学的にも科学的にも結局は「集団免疫の達成」か「ワクチン開発、接種」のいずれかに議論が分かれるようです。
「集団免疫の達成」は古くからある疫学的な考え方です。
「集団免疫の達成」は全人口の60%から70%が感染すればそれぞれの人々の獲得免疫によって集団全体での免疫が可能となり感染流行は終息するという考え方です※。
※参考文献:パンデミックの栄養学
しかし「集団免疫の達成」には問題があります。
これは「感染することで、体内で自然に抗体ができる」ことを前提としています。多くの方が感染することを前提としているため、基礎疾患のある方にとっては高いリスクを伴います。
今回の新型コロナウイルスのように、性質の分からない新しいウイルスであれば、これが基礎疾患のある方にとってどれだけのリスクを伴うものであるのかは分かりません。
集団免疫とワクチンのメリットデメリット

新型コロナウイルスに自然に感染し、個々が体内で抗体を作っていくという「集団免疫」の考え方は基礎疾患のある方にとって大きな危険を伴います。
それならば基礎疾患のある方は、ワクチンが開発されるまで感染しないように最大限の注意を払い、ワクチンが開発された時点でただちに接種を受ければ良いのでしょうか。
実際にはこれもNOです。
基礎疾患と新型コロナウイルスワクチンのリスク

いま世界中の製薬関係機関がワクチン開発に鎬を削っています。
しかしながらワクチンの開発にも時間がかかります。
新型コロナウイルスに有効なワクチンであることは当然として副作用が少ないことも求められます。
基礎疾患のある方は、自然に新型コロナウイルスに感染することにリスクがあるように、ワクチン接種についてもリスクが伴います。
ワクチンの有効性が認められても、ワクチン自体の副作用での致死率が高ければ何にもなりません。
ワクチンの開発や治験による安全性の確認、十分な量の製造、そして接種。日本では認可の審査に時間がかかることも予想さます。
副作用のリスクをきちんと評価するのならば、どんなに短くてもこれから2年以上はかかるのではないでしょうか。
仮にワクチン開発が急速に進み、接種が早い段階で可能になったとしても、基礎疾患のある方は慎重な対応が必要です。新しいワクチンの安全性は直ぐには分かりません。
繰り返しますが、基礎疾患のある方は、引き続き慎重に情報を見極めながら対応していきましょう。
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