肥満と新型コロナウイルス感染症重症化に関するフランスの報告

2020年4月20日付のフランス連帯・保健省の発表によると、「肥満症は新型コロナウイルスに対しもっとも重症化率が高いことが確認された」とのことです。
そのため、肥満症に対する感染症対策をさらに強化するよう、肥満症の方と、ケアや治療を行う医療従事者に対しても再度警告をしています。
COVID-19が重症化しやすい肥満とは
上述のフランス連帯・保健省の発表はリールCHRU※(リール大学付属病院)の報告をもとに作成されました。
リールCHRUの報告によると、「同病院で治療を受けている新型コロナウイルス感染症の重症患者のうち、47%は肥満症である」とのことです。
なお、「この肥満症患者の中には「糖尿病や高血圧、心血管疾患、呼吸器疾患」をはじめとする合併症のある方は含まれていません。」とも報告されています。
ここで該当する肥満症とはBMI30以上の肥満症をいいます。
その中でもBMI35以上の肥満症の方は糖尿病や高血圧、心血管疾患、呼吸器疾患の合併がなくても、新型コロナウイルス感染症に対しもっとも警戒が必要であるとのことです。
肥満におけるCOVID-19対策の強化法
今回のフランス連帯・保健省の発表は、「肥満症そのものが新型コロナウイルスの重症化に対し大きなリスクがある」ということが確認された重要なものです。
繰り替えしになりますが、糖尿病や高血圧、心血管疾患、呼吸器疾患を発症されていない方でもBMI30以上の方は再度感染症対策を強化する必要があります。
テレワークの導入、日常的な買い物の方法等、必要に応じて外出制限を強化してください。
閉鎖空間内で長期間に渡って自粛生活をおくると精神的に苦痛を伴うことが多々あります。心配や辛い気持ちやストレスを一人で抱え込まず、家族や、時には専門家を頼ることも重要です。
電話やSNS等を通じ、周囲とコミュニケーションを積極的にとり、ストレスの積み重ねをおこさないようにしていきましょう。
また、外出を控えて運動不足になると、身体に大きな負担を与えてしまいます。
できるだけこまめに動き、座りっぱなしの姿勢を避けることも健康面で大きく役立ちます。人ごみを避けた日光浴も大きなリフレッシュ効果が期待できます。
COVID-19対策と肥満者の食生活の見直し

また、食生活の改善は肥満の改善や健康増進のために必要不可欠です。
自己流のダイエットや栄養の偏った食事療法は危険ですのでやめましょう。
正しい栄養学に基づく食生活の見直しを行いましょう。
必要に応じて管理栄養士のアドバイスを受けましょう。
参考文献
フランス連帯・保健省 COVID-19感染症対策における肥満症の方への対応について
(2020年4月25日参照)
※ Centre Hospitalier Régional Universitaire de Lille
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