
2020年4月10日付けでWHOはCOVID-19(新型コロナウイルス)感染症アウトブレイク中※の成人向け食生活アドバイスを公表しました。
それによると、注意すべき食生活上のポイントは次の通りとのことです。
※アウトブレイク中とは感染症が突発的に発生し急激に広まり、悪い流行を起こしている状況のことです。
生鮮食品をとり、加工食品を避けましょう。
適切な栄養摂取と水分補給が第一に重要です。
ビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質、抗酸化物質を適切に摂取するために、できるだけ加工度の低い食品を摂取しましょう。
玄米や全粒粉、豆類、生の野菜や果物、魚、脂の少ない肉を活用しましょう。缶詰の野菜等を活用する場合は味付けのされていないものを選びましょう。
水分をしっかりと摂取しましょう。
1日にコップ8~10杯の水を飲みましょう。
水は生命活動に必要不可欠です。血液中の栄養素を全身に運搬したり、体温を調整したり、関節の保護をする等の重要な役割を担っています。
動物性脂肪を控え、良質な植物性油を摂取しましょう。
良質な植物性油を摂取しましょう。
赤身の肉は控え目に、魚や鶏肉を食べましょう。
加工肉は塩分の過剰摂取につながるため、控えましょう。
牛乳は低脂肪タイプを選ぶと良いでしょう。
トランス脂肪酸が含まれるスナック菓子等は避けましょう。
塩分や砂糖を控えましょう
塩分を1日5g未満に控えましょう。ヨウ素添加塩を活用しましょう※。
砂糖の多く入ったお菓子や清涼飲料水を控え、フレッシュな果物を食べましょう。
※ヨウ素添加塩は日本では販売されていません。また、日本人はヨウ素を過剰摂取する傾向にあるため、ヨウ素添加は不要です。
砂糖や脂肪、塩分を控えることで、外出自粛中の糖尿病や肥満、心臓病、脳卒中、癌のリスクを下げることができます。
外食を避けましょう
外食を避けましょう。レストランは不特定多数の人の出入りがあり、また、適切な距離を保つことが困難です。手洗い状況や食器等の衛生面についても十分に行われているか確認することができません。
カウンセリングや社会的サポートを受けましょう
栄養と水分補給は免疫の維持向上に重要ですが、これは魔法ではないため、限界もあります。
COVID-19に感染した疑いのある方や基礎疾患のある方は体調を改善するために心身面で様々なサポートが必要になることが想定されます。適切な訓練を受けた医療の専門家や住民サービスによるカウンセリングなどを活用しましょう。
COVID-19(新型コロナウイルス)感染アウトブレイク中食生活アドバイス参考文献
Nutrition advice for adults during the COVID-19 outbreak
(2020年4月10日参照)
以下の電子書籍を感染症アウトブレイク中の食生活にご活用ください。いずれの書籍もWHOの食生活アドバイスの基準を全て満たしています。より詳しい内容が分かりやすく書かれています。
生鮮食料品の活用の仕方が分かります。
正しい糖質摂取、減塩等、感染症対策の視点からまとめています。
不足する栄養を補うことは正常な免疫系を維持する上で重要です。
減塩と栄養バランスの双方を意識した簡単な鍋料理を作ってみましょう。
塩分の過剰摂取から抜け出せなかった方へ、無理なく塩分を減らす食事法をご紹介します。
なお、甲状腺疾患の方は甲状腺疾患に係る食事療法がそのまま感染症対策として有効です。
甲状腺疾患の方のための食事療法に関する書籍はこちらのページからご覧いただけます。
COVID-19(新型コロナウイルス)感染症アウトブレイク中の成人向け食生活アドバイスまとめ
外出自粛は長期化する恐れがあり、また、COVID-19(新型コロナウイルス)感染症に感染し、症状が軽度の方は自宅待機が求められるようになるでしょう。
食事は免疫系を正常に機能させるための栄養の摂取源です。また、適切な食生活は多くの病気のリスクを低下させることができます。食生活を見直し、健康の維持を心がけましょう。