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橋本病、バセドウ病と寒がりの関係

©Apointy 甲状腺ホルモンは体温調整に重要な役割を果たしています 
©Apointy 甲状腺ホルモンは体温調整に重要な役割を果たしています 

今年は夏ころからでしょうか、気温のアップダウンの激しい日が多い様に思います。ここ数日も暖かな小春日和の様な日があったと思えば、たちまち真冬日に逆戻りです。

 

こんな時、私たちの身体は体温調整に大忙しです。

 

あまり気温が下がっていないにも関わらず、数度下がっただけでしばらくは寒く感じてしまうように、身体は気温の変化に対して、少しずつ適応していきます。

 

今年の様に気温の変化が急に起こると、身体がついていくのはとても大変です。ただでさえ季節の変わり目は体調を壊しやすいのですが、今年の気温の変化は身体に大きな負担がかかりそうです。

 

ところで、気温の変化に対して身体はどの様に適応していくのでしょうか?

 

この様な大仕事は「甲状腺ホルモン」が担っています。甲状腺ホルモンは基礎代謝に関わるホルモンです。甲状腺は基礎代謝を司る器官です。

 

基礎代謝がアップすれば発熱量が多くなり、ダウンすれば発熱量は少なくなり、自らを温めたり、クールダウンすることができます。

 

甲状腺疾患を発症すると、甲状腺ホルモンの分泌量に変化が現れます。橋本病・甲状腺機能低下症の方は甲状腺ホルモンの分泌量が減ってしまいます。バセドウ病・甲状腺機能亢進症の方は甲状腺ホルモンの分泌量が増加します。

 

季節に関係なく、この様な分泌傾向にあるために、気温が変化してもそれに上手く適応できなくなってしまいます。服薬によって甲状腺ホルモン値が安定していても、細やかな調整は難しくなってしまいます。

 

ご自身で身体のことを考え、寒い時は身体を温かくして過ごし、できるだけ体調を整え、穏やかな年末年始を迎えたいものです。

 

皆さま、どうかご自愛下さいませ。