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甲状腺疾患の高罹患国に学ぶ食事療法

©Apointy  甲状腺疾患高罹患国に学ぶ食事療法
©Apointy 甲状腺疾患高罹患国に学ぶ食事療法

世界の甲状腺疾患患者数は約3億人と言われています。そのうち、インドにおける甲状腺疾患患者数は4000万人にも上ります。特に注目すべきことは、インドにおける甲状腺疾患はヨウ素欠乏とは関係のない甲状腺機能亢進症が多いことです。

 

「ヨウ素欠乏とは関係のない」という点においては日本の甲状腺疾患と共通するポイントです。この統計は甲状腺疾患の診断が確定している患者数を示すものです。気付かないうちに甲状腺疾患に罹患している方を考慮すれば、インドの患者数はさらに多くなることが予想されます。

 

また、食生活面を考慮すれば、インドは菜食主義中心の国です。インドにおける甲状腺機能亢進症の具体的な原因はまだ分かりませんが、植物性食品のみに頼る食生活はゴイトロゲンの過剰摂取につながる恐れがあります。また、植物性食品に偏った食生活は重大なビタミン欠乏症のリスクを高める恐れもあります。

 

実際に、世界中で食事やサプリメント由来の栄養素の欠乏症や過剰摂取がTSHや甲状腺ホルモンに与える影響を指摘する論文が多く見られます。

 

甲状腺疾患の素因を抱える方にとっては、偏った食生活は甲状腺疾患の発症のリスクを高める恐れもあります。ご家族の中に甲状腺疾患の方がいらっしゃる場合は特に注意が必要です。

 

栄養はバランス良く摂取することが大切です。特に、甲状腺疾患の素因のある方、甲状腺疾患の治療をされている方にとって、治療をスムーズに進める上においても、不調を出来るだけ減らすためにも、正しい食生活を送ることはとても大切です。