橋本病とバセドウ病のセルフチェック


半分以上の項目に心当たりがある方は橋本病やバセドウ病の疑いが強くなります。基礎代謝とともに食欲も変化するために、食生活の振り返りもセルフチェックに役立ちます。  

 

これらは典型的な症状のリストです。全ての方が必ずしもこの通りにあてはまるとは限りません。リストにない症状のある方、橋本病とバセドウ病の症状が混在する方もいらっしゃいます。

橋本病(慢性甲状腺炎)とは?


橋本病とは甲状腺ホルモンの分泌量が減る自己免疫疾患です。橋本病は「慢性甲状腺炎」とも呼ばれ、甲状腺に慢性の炎症が起きている状態です。甲状腺が腫れ、のどの違和感やかすれ声、息苦しさを感じることがあります。

 

橋本病が進行すると甲状腺機能低下が進み、基礎代謝も低下します。体重増加、冷え性、疲労、気分の落ちこみ、肌荒れや脱毛等の症状が現れます。月経不順や月経が重くなる方(月経過多、PMSなど)もいらっしゃいます。コレステロール値が高くなることも一般的です。下まぶたの腫れ、上まぶたや顔のむくみ、顔が青白いなど、表情や顔色に変化が現れることもあります。

 

橋本病の症状はバセドウ病の症状とおおよそ真逆ですが、動悸や息切れといった、バセドウ病の症状が現れる方もいます。また、必ずしも体重増加が見られるわけではなく、痩せている方もいらっしゃいます。 

橋本病の治療


甲状腺ホルモン値が低下し、甲状腺ホルモンの分泌を促すTSH(甲状腺刺激ホルモン)の値は上昇していると、橋本病と診断されます。 

 

【橋本病と甲状腺ホルモンの状態】

 

TSH 高値

FT4  低値

FT3  低値  

 

治療が必要な場合、甲状腺ホルモン薬を服用し、不足分を補います。

潜在性甲状腺機能低下症/橋本病の疑い


橋本病であっても、甲状腺機能低下症の状態が進行していなければ治療は不要です。

 

橋本病は女性の多くが抱えており、治療が必要な段階まで進行するかどうかは人それぞれです。経過観察中の橋本病は「潜在性甲状腺機能低下症」や「橋本病の疑い」、経過観察中の「橋本病」と呼ばれます。

 

TSHのみ上昇している場合や、橋本病に関連する自己抗体が陽性で甲状腺ホルモン値は正常の場合などがあります。

 

経過観察の段階では症状が現れないとされていますが、実際にはいくつかの不調を抱えている方がいらっしゃいます。 

 

定期的に検査を受け、甲状腺機能低下症が進行していないかを確認します。甲状腺機能低下症の状態になると、治療が必要になります。

このような症状は「橋本病」を疑いましょう


1.    甲状腺の腫れ

2.    疲労感

3.    脈が少ない

4.    冷え

5.    汗をかかない

6.    まぶた、全身のむくみ

7.    体重増加

8.    お腹が空かない

9.    日中の眠気

10.記憶力の低下

11.便秘

12.月経過多

13.動作が遅くなった

14.筋力の低下

15.肌荒れ

16.しゃがれ声、かすれ声

17. 脱毛

18. 体温の低下

 

この他にも、不妊、LDLコレステロール高値などを認めることがあります。「怠けている」「うつ病」など思われたり、診断されたりケースもあります。橋本病が原因の不調は橋本病の治療が必要不可欠です。血液検査で甲状腺ホルモン値を検査することで、橋本病かどうかが分かります。

女性の20%に橋本病の素因


 

橋本病は20代以降の女性が発症しやすい自己免疫疾患です。集中力や体力、妊娠力にも影響を与えるため、橋本病と気付かないまま過ごしていると、仕事、結婚や妊娠など、人生のライフイベントを台無しにしてしまう恐れがあります。

 

橋本病の素因は多くの女性が持っています。その割合は女性の10~20%にも上ると言われています。女性の5~10人に1人は橋本病を発症するかもしれないのです。日常的に不調を抱えている方は甲状腺ホルモンの検査をおすすめします。

 

参考文献:

日内会誌997077122010 「甲状腺疾患:診断と治療の進歩」