橋本病を発症すると基礎代謝が低下します。そのために食事から摂取したエネルギーは過剰になりやすくなってしまいます。
その反面、栄養の吸収効率が低下しているため、栄養不足によって様々な不調を感じるようになります。
食生活におけるもっとも重要な点は、できるだけ栄養素の詰まった食事を心がけることです。
こうすることで、不調を軽減しながら、治療を効果的に進めることができます。治療の効果が出てくると基礎代謝が次第にアップしますので、安全な減量を進めやすく、また、不調もさらに軽減されるでしょう。
橋本病・甲状腺機能低下症、橋本病の疑いの方は、治療開始直後は、なお、基礎代謝量が低下した状態でので、食べ過ぎに注意しましょう。治療を開始しても、体の中に変化が起こるには少し時間がかかります。
このような時期にはエネルギー摂取量と栄養バランスに特に注意が必要です。栄養の偏った食事を続けると、基礎代謝はいつまでたっても上がらず、かえって太りやすくなってしまいます。
食事量を増やす必要はありませんが、「糖質だけ」、あるいは「糖質は完全に制限」といった偏食は避け、ご飯や魚、お肉、野菜を万遍なく食べるようにしましょう。
治療を開始したら、主食を玄米や雑穀米、全粒粉に切り替えましょう。
玄米や雑穀米、全粒粉などの全粒穀類には食物繊維やビタミンB1が豊富に含まれています。
これらの栄養素は基礎代謝を高めるサポートをしてくれます。
また、橋本病の方は血糖値が乱れやすいという特徴があります。血糖値を穏やかに保つ上でも全粒穀類は役立ちます。
橋本病の方は脂質代謝異常が起こるため、コレステロール値が高くなります。糖質や脂質の過剰摂取はコレステロールの異常につながるために注意が必要です。
食物繊維にはコレステロールを下げる働きもあります。これまで白米や精白小麦のパンやパスタ、うどんを好んで召し上がっていた方は、玄米や全粒粉に置き換えることで、食物繊維の摂取量を少し増やすことができます。
橋本病を発症すると脂質代謝異常が起こり、コレステロール値が高くなる傾向にあります。
本来ならば、コレステロールはホルモンや細胞の材料になる大切な栄養素ですが、LDLコレステロールの値が高すぎれば、動脈硬化のリスクを高めてしまいます。
コレステロールが高いと言われた方は油脂の種類や摂取量を見直しましょう。
橋本病の治療を開始したら、動物性脂肪を控え、体に良い植物性油を中心に摂取しましょう。
タンパク質には基礎代謝をアップさせる効果があります。
太りやすく痩せにくいからといって食事量やタンパク質摂取量を減らし過ぎてしまえば、かえって基礎代謝を低下させてしまいます。
基礎代謝をアップさせ、筋肉を作るためにも適度な量のタンパク質摂取が必要です。
脂身の少ない肉類、魚、卵を中心に、豆類等からもバランス良くタンパク質を摂取しましょう。
橋本病の方は基礎代謝が低下し、栄養の吸収効率も低下しています。
ビタミンやミネラルには代謝を助ける作用があるため、バランス良く摂取することが大切です。
ただし、ミネラルの中でヨウ素は甲状腺に大きな影響を与えます。
ヨウ素については過剰摂取になりやすいため、摂取量に十分な注意が必要です。
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