このような不調を抱えていませんか?
これらは甲状腺疾患の典型症状です。甲状腺疾患を発症すると体内では甲状腺ホルモンをはじめ、いくつかのホルモンや代謝のバランスが崩れ、不調は全身に及んでいきます。この他にも月経異常や筋力の低下等多くの症状があげられます。
甲状腺疾患の症状は日常的な不調と区別がつきにくく、病院にかかっても「風邪や疲労、胃腸炎」等と診断されてしまうケースもあります。
気分の落ちこみやイライラから、心療内科にかかり、原因が見つからないケースもあります。
甲状腺疾患は甲状腺ホルモンを整えない限り回復しません。そのために多くの方が甲状腺疾患と知らずに過ごし、辛い日常生活を送っている恐れがあります。
本ページの最後の甲状腺自己診断のチェックシートで具体的な症状を確認してみましょう。
甲状腺疾患は20代以降の女性がかかりやすい自己免疫疾患です。甲状腺疾患にかかると、集中力が低下する、イライラしやすい、妊娠しにくい等の症状が現れることがあります。そのために甲状腺疾患と気付かないまま過ごしていたら、仕事、結婚や妊娠等、大切なライフイベントを台無しにしてしまうかもしれません。
橋本病の素因は比較的多くの女性が持っています。その割合は女性の10~20%にも上ると言われています。女性の5~10人に1人は橋本病を発症するかもしれないのです。
甲状腺疾患を放置すると様々な病気を連鎖的に引き起こしたり、重症化すれば命に係わる症状にまで発展する恐れがあります。また、甲状腺ホルモンは妊娠や成長等にも関係するので、不妊や妊娠しても胎児に悪影響を与える恐れもあります。早い段階で発見して治療を受ければ、通常の日常生活をおくることができます。
不調を抱えているのに原因がわからない、なかなか改善しないと感じたら、甲状腺疾患のセルフチェックシートで症状を確認してみましょう。下の画像は代表的な甲状腺疾患である、「バセドウ病」と「橋本病」のセルフチェックシートです。あてはまる項目がないか見てみましょう。あてはまる項目が多い程、甲状腺疾患にかかっている可能性が高くなります。(チェックシートの画像はクリックすると拡大します。)
参考文献:
日内会誌 99:707~712,2010 「甲状腺疾患:診断と治療の進歩」
セルフチェックシートで多くの項目があてはまった方は、甲状腺ホルモン値を調べる血液検査を受けましょう。
甲状腺の専門病院や専門の診療科で検査を受けることができます。この血液検査は一般の内科ではできない場合もあります。
一般の内科にかかり、疲労や胃炎等、甲状腺疾患以外の診断を受け、そのまま見逃されてしまうケースも見受けられます。
甲状腺疾患は精神的な不調も伴うことがあるため、心療内科にかかり、甲状腺疾患が放置されてしまうケースもあるようです。
甲状腺疾患による様々な不調は、一部を除いて、甲状腺ホルモンを整える治療を受けない限り治りません。甲状腺疾患以外の治療を受けて症状が緩和したとしても、それは一時的なものです。
他科にかかっていても、これらの項目にあてはまる症状がある場合は、甲状腺ホルモン値の検査をおすすめします。
セルフチェックで多くの項目があてはまったら、病院で甲状腺ホルモンの検査を受けましょう。
検査は甲状腺の専門病院や甲状腺の治療を行う診療科のある病院で受けられます。
下記の日本甲状腺学会のホームページから甲状腺の専門病院を検索することができます。
また、下記の日本内分泌学会のホームページからは甲状腺疾患の治療を行っている病院を検索することができます。
上記に記載された病院以外でも甲状腺疾患の検査や専門的な治療が受けられる病院があります。
下記のキーワードを目安に、ご自宅や職場から通院しやすい病院のホームページを確認してみましょう。
✔ 大学病院
✔ 総合病院
✔ 甲状腺・内分泌・代謝科のある病院
病院のホームページには治療が受けられる疾患名が書かれています。「バセドウ病」「橋本病」と書かれていれば、甲状腺疾患の検査や治療が受けられる病院であることがわかります。
甲状腺の病気の疑いがある場合、「バセドウ病」や「橋本病」の治療が受けられる病院にかかることが確実な診断につながります。
甲状腺の病気は症状が多岐に渡るため、病院に行っても何をどこまで話したらよいのか、何を質問されるのかとまどってしまいます。
甲状腺の病気の疑いがあり、病院にかかる際、看護師や医師から聞かれることが多いこと、患者さんが医師に聞くべきことについてメモを準備しておくと、診断や治療がスムーズにはじまるでしょう。
あらかじめ質問する内容のメモをしっかりと用意し、リラックスして病院にかかりましょう。初診時にはできるだけ付き添いの方がいると良いでしょう。バセドウ病や橋本病を発症すると、注意力が低下してしまいます。付き添いの方がいらっしゃれば医師の説明の聞き忘れや、症状の伝え忘れを避けることができます。
次のページでは初診時の問診やアンケートで質問されやすい項目についてまとめています。あらかじめ確認し、準備しておくと良いでしょう。